自伐型林業って、なんなの?

コラム

以前から当ブログの記事内で何度か触れている「自伐型林業」ですが、具体的にどんな林業なのか、お話させて頂きたいと思います。

自伐型林業のことを簡単に説明すると、これまで森林組合や林業会社など、他者に管理を一任していた山林を、自分たちでも長期的・継続的に管理して行こう、というやり方です。

現行の林業は、戦後に植えられて約50年ほど経過した木(スギ、ヒノキ等)を皆伐して材を生産しており、これらの木は主にB材・C材といって合板や集成材、燃料材になります。

ただ、一度に全ての木を伐採するので、次に材が採れるように木が育つまで、再び50年ほど待つ必要があります。

この間、同じ山から材を生産することは出来ません。

自伐型林業では、主に約10年に一度、全体の木の2割ほどを間伐し、材を生産します。

一度に全ての木を伐採せず、木を残して育てながら行うことで材の品質も上がります。

樹齢を重ねた木はA材といった高品質な無垢材等になるので、収益も上がることが期待されます。

この方法であれば、一から木の苗を植えて育つまでの50年のインターバルを挟むことがなく、持続的に材を生産していくことが可能になります。

また、従来の方法と比較して、低コスト・新規参入のハードルの低さも挙げられます。

自伐型林業は比較的小規模に行われます。

まず作業を行うために必要な人員ですが、2~3人の少人数から始められます。

また、小規模な施業のため小型機械の使用で済み、材を搬出する車両についても、小規模伐採なので軽トラックや2tトラック等で十分であり、そのため作業道に関しても幅2.5m以下の道幅で造るので、現在行っている大型機械での作業に伴う設備費、燃料費、幅広な作業道造り等と比較して低コストで済みます。

環境面でも、皆伐による豪雨での土砂崩れの誘発や、幅広な作業道で起こる崩壊の危険性についても配慮し、より安全性を高めることが出来ると言えます。

また、自伐型林業は現在の仕事と兼業が可能で、多様な働き方をしながら高収入も見込める生活につながります。

環境に配慮しながら収入も期待できる、各々の働き方に合わせた新しいライフスタイルを築くことが期待できることは、自伐型林業の大きな魅力だと思います。

弊社の掲げる目標の一つは、「後世に残す森林づくり」です。 今を生きている私達のためだけではなく、これからを生きる後世に、豊かな自然環境、森林、働き方を作って行くために、この自伐型林業の実現に向かって日々奔走しています。

タイトルとURLをコピーしました