山と鳥獣被害 その2

その他

こんにちは。株式会社FOREST WOKERの臼田です。

前回の続きになりますが、鳥獣被害について書いていこうと思います。

林業での鳥獣被害とは

鳥獣の被害と聞くとどのような動物が思い浮かぶでしょうか。イノシシやサル、クマなどなどちょっとニュースを気にするだけでも次々出て来ますね。実際に被害に遭うのはどのようなものかというと。野菜、果物、ゴミを荒らしたり、人が被害にあうこともあります。害獣や害虫という言葉は好きではないのですが、インターネットでこれらの単語を調べてみると出ること出ること、シカ、イノシシにはじまり、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、ネズミ、モグラ、アライグマやヌートリアなど。まだ倍以上は出てきます。昆虫を含めたら書ききれません。

これらの中で林業にて被害が出るものはシカによるものが代表的です。カモシカによる被害もあるようですね。植えたばかりの苗を食べてしまったり、成長した樹木の樹皮を剥がされ食べられたりとの被害があります。

シカによる食害以外の林業での被害

先日、ある仕事をして来ました。林業会社でも珍しい仕事だったのではないかと思っています。情報が公表可能か確認できていないため、詳しい内容は避けさせていただきます。仕事の内容は植林した苗木に防護ネットを被せて回るというものです。斜面が急だったのと雨が降っていたので作業はとてもシンドかった。急斜面もキツかったし、雨でパンツまでビショビショ、その上一番辛かったのは虫!ブト!ブヨとも呼ばれ、ブユが正式名称らしいですが、ずっとたかられていました。体は全身覆っていたのでいいのですが、顔をとにかくかまれ、ヘルメットに沿って首まで一帯をかまれました。それがまた腫れがひかないことひかないこと、時たま無性に痒くなるし、辛かった。約二週間経つ最近やっと引いてきました。話がだいぶ逸れましたが、防護ネットです。苗木に一本ずつ被せて回りました。これがヤトの被害を防ぐための物だったのです。

ヤトと林業

林業ではヤトやヤソの被害も報告されており、一昔前はシカと並んで被害に悩まされていたとの記事も読みました。ヤトは野兎、ヤソは野鼠、そうノウサギとノネズミです。植林した杉の苗をノウサギが噛み切ってしまう被害があり、最近は植林より皆伐の方が主流のため被害報告が減ってはいるようですが、現に対策が必要ですし、植林が盛んだった時期にはノウサギ対策は重要だったようです。私自身野生のウサギを見たことがなかったため本当にいるのかな〜?と思っていたのですが、先日、娘とホタルを見に行った帰りに遭遇しました。運転していたので写真は撮れませんでしたが、まさにノウサギ!身近にいるのだと実感しました。

林業での対策

林業では主に防護ネットを使います。今回のように一本ずつ行うことが主流とは出てこないのですが、シカ対策のために植林地の周囲をネットで覆って入れないようにすることがメインです。ノウサギやノネズミにはしっかりと下刈り等の整備をすることで、隠れる場所が減り、自然に小動物が住み着かなくなるとのこと。猛禽類などの鳥類に狙われてしまうので嫌うようです。シカくらいのサイズになってしまうと関係なくなってしまいますが。地域によっては猟によって個体数の管理を試みているところもあります。「緑の雇用」という林業に就業した初心者向けの研修制度があり、私も今年から参加しています。実際その研修の内容に罠猟の講習が入っています。林業では必要な知識ということでしょう。

林業と動物との関わり

鳥獣被害は人間側から見た主観的な動物の見方です。しかし実際にその被害によって収入が減ったり、仕事をやめてしまったりすることもあります。林業でも植林した苗を食べられてしまうとまた一からリセットですし、そのために数本の苗木を植えに行くことは現実的ではありません。防護が大事になってくることです。それによって頭を悩まされることも多いのですが、仕事の内容がこれだけ野生動物と近いものも少ないと思います。山林の管理を追求して行くことで、動物と人とのバランスが取れる方法を模索できればと思っています。

それではまた。臼田でした。

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