このところ涼しい日が続き、夏の終わりを感じさせる今日この頃です。
先週の記事で比婆山について紹介したのですが、今日はその比婆山一帯にある、「たたら製鉄場」の内、二カ所を紹介していきたいと思います。
まずは一つ目、「六の原製鉄場跡」です。
ここは庄原市西城町の「ひろしま県民の森」の丘陵上にあります。
ここには、たたらの神様をお祀りする「金屋子神社」があり、その付近に跡が残っているそうです。
昭和45年に行われた、ひろしま県民の森造成工事中に発見されたそうです。
昭和46年には広島県史跡に指定されています。
砂鉄の採取から製鉄までの一連の遺構が残っているということです。
二つ目は、同じく庄原市西城町で鳥取県との県境付近の山間部にある、「小鳥原製鉄精錬場跡」です。
現在は畑や荒地になっているそうですが、この精錬場は明治34年から大正10年までの21年間操業されていたそうです。
広島県内では最後まで操業されていたそうですが、この精錬場の閉鎖をもって県内のたたらは姿を消しました。
現在では唯一、島根県奥出雲町の「日刀保たたら」で全国の刀匠に材料となる玉鋼を作るために操業されています。
まとめ
当時、中国地方でたたら製鉄が栄えた理由は、砂鉄と製鉄に使う炭を作るための木が豊富であったためと言われています。
いつの時代も森林や山は、私たちの生活に欠かせないものであり、それを管理・整備し育んで行き、次世代に繋げていくこの仕事の大切さを、今回の記事を書いている中でさらに感じました。
参考文献
庄原市比婆山熊野神社解説本編集委員会編著(2016)『日本誕生の女神―伊邪那美が眠る比婆の山』庄原市.